平成19年度 司法書士 合格体験記

 

平成19年度、めでたく司法書士試験に合格された川西勇介さん。通学されている間はジャージ姿で勉強に打ち込んでいる姿が印象的でした。しかし、先日行われた座談会ではさっぱりしたいでたちで本来の好青年に戻られ、われわれ女性スタッフを魅了してくれました。また楽しいお話を披露してくださり、受験期間には知りえなかった素顔に触れることも出来ました。

そんな素敵な川西さんから合格体験記を頂きました!司法書士を目指されている方、それ以外の受験生の方も是非参考にして下さい!!

 

 

プロローグ

〜私が司法書士を目指した理由〜

1年目

〜記述式に泣いた始めての受験〜

2年目

〜勉強以外のことにも気を配り掴んだ合格〜

エピローグ

〜受験生へ送るエール〜


【プロローグ】
私が、司法書士を目指そうと思ったのは、単刀直入に言いますと、人に雇われたくないというそんな気持ちからでした。そんな生意気なことを言っても、ろくに雇われたことも無いのですが・・・

そこで、自分で起業したいと思うようになりました。しかし、特に経験や才能があるわけでもなかったので、いきなり起業するのはリスクが大きすぎると考え、何か資格を取って武器にしたいと思ったからです。

そして、一度きりの人生、勝負に出てみようと思い平成16年の11月から新15ヶ月合格コース(秋生)に申込をしてしまいました。これから地獄のような勉強生活が始まるとも知らずに・・・

 

【一年目】

私が受講した先生は、古藤先生でした。古藤先生は冗談など全く言いませんが、理論的に難しい法律用語などを解りやすく解説してくださり、特に複雑なところは、図解して噛み砕いて教えてくださいました。

 

講義がある期間の勉強は、月、木は講義。その日のうちに復習、板書をブレークスルーに対応させておく作業をしました。これをやっておいたお陰で、後で調べる時に講義を聴いたときのリアルな記憶の喚起に役立ちました。その後、該当箇所の過去問をやる、といったありきたりな勉強方法でした。まさに講師の言いなりといった感じでしたが、「餅は餅屋」という言葉があるようにLECの講師は法律の勉強のプロです、信じて良いと思います。そして講義の無い日は、『前にやった科目の過去問を解き直し、解からないものがあるときは、ブレークスルーで調べるといった感じでした。

はっきり言ってここまでは、楽な勉強でした。なぜなら、ただ講義を聴くだけで受身の勉強だからです。極端な話、講義さえ聴いていれば時間だけは過ぎてしまいます。本当に辛いのは、講義がすべて終わる4月からでした。

 

4月からいよいよ答練が始まります。これまで1年目の人のみが受ける基礎答練は受けていましたが、それは本当の基礎の基礎しか問われないものなので訳が違います。4月からの答練は、昨年ギリギリで不合格だった実力者や、何年も勉強しているベテラン受験生が相手です。1年そこら講義聴いただけの私が同じレベルで戦えるはずもありませんでした。結果はE判定のオンパレード。一回C判定がもらえたくらいでした。記述式に関しては、結局一回も基準点を突破できませんでした。最初の頃は、今まで自分は何をしてきたのだろう、と考え込む時期もありましたが、ここで私は割り切って自分の目標は本試験で合格することと言い聞かせて答練の結果は気にしないことに決めました。

 

そして4月からの勉強方法は択一に関しては過去問のみに絞りました。海野先生が実際に受験時代に取った勉強方法をまねることにしました。まずは1ヶ月で過去門前科目1周させます。その後、三週間で一周させます。それを二週間、一週間と回す時間を狭めていきました。ここで、過去問だけで不安だと思う方もいらっしゃるとは思いますが、司法書士試験は過去問が完璧なら十分合格点に届くと私は思っています。この完璧というのが中々難しいのですが・・・

答練の復習と過去問両方とも薄い知識になってしまう恐れがあると思っていたから思い切って答練の復習は捨てました。

 

記述式に関しては、答練・模試を活用しました。というかそれしか有りませんでした。LECの基礎講座には、基礎の雛形を覚えるような答練は含まれていますが、記述の講座を別に申し込まない限り、本試験レベルの記述式はファイナル編で初めて触れる事になります。私の一年目の敗因は記述式の対策を怠った事が最大の原因だと思っています。時間とお金に余裕のある方は記述対策講座を取ることをお勧めします。そして、出来るだけ早い段階から本試験レベルの記述式の問題集を解いておいた方が良いと思います

 

大体この頃から起きている時間は食事、トイレ以外は勉強という毎日で、昼間はLECの自習室、夜はファーストフード店という生活でした、

私は、プレッシャーにとことん弱く、試験一ヶ月前から体調を崩し、眠れない日々が続きました。風呂も3日に1回という日も珍しくありませんでした。

 

そしていよいよ本試験当日、もう何も迷いはありませんでした。

結果は

択一午前:28問(基準点プラス1点)

択一午後:26問(基準点プラス1点)

記述式ボロボロ(正確に覚えていませんが、商登法は2.5点でした)

 

やはり記述式の対策を怠ったツケがはっきりと現れました。択一に関しては後もう少し実力を上げなければならないと思いました。

 

【2年目】

もうやることは決まっていました。記述式です。私の取った方法は、問題を解きまくる!市販されている記述式の問題集は粗方やりました。1年目はなんとなく感覚で解いていた記述式でしたが、問題集を解くうちに答案構成力が身に付きなんとなく感覚で解いていた記述式も自分の解き方が確立され、記述式を得点源にすることが出来ました。記述式は自分の解き方が確立されれば、ほとんどもらった様なものです。あとは、数多くの問題に触れ、慣れるだけだと私は思います。しかし、何度も同じミスを繰り返しました。そこで間違いノートを作り、何度も見返すことによりそのミスを逆に得意なものにすることが出来ました、重要なことは、ミスをした時に「ミスしちゃった。うっかりしていた、今後は気をつけよう。」で終わらせるのではなく、なぜこのミスが発生したのか、ではどうすればこのミスが防げるかを真剣に考えました。ミスをした時は逆にチャンスなのです

 

択一に関しては、1年目の直前期に過去問を上記の方法で解くことにより実力が飛躍的にアップしたことを実感していたので、2年目は最初からoutput中心で行こうと決めていました。それと、過去問とは違った問われ方の対策として去年の答練と市販の問題集を加えました。そして問題の解き方も変更しました。知り合いの方の勉強方法を拝借させていただきました、その方法とは解かりやすく言えば、「解かる肢はやらない」というものでした。解かる問題はいくら時間が経過していてもやっぱり出来る。それなら解かる肢は削って、出来ない問題をやった方がいいということです。そのかわり、解かる問題の線引きはかなり厳しくしました。答えが当たるのはもちろんのこと理由まで完璧でようやく削ります。この方法を取ることにより、より問題数を多くこなすことが出来るようになりました。

 

2年目は8月位から勉強を再開しましたが、年内は比較的流して勉強をしていました、そして年明けからは徐々にペースを上げていくようにしました、参考までに年明けからの平均勉強時間を書きますと、

·           1月           6.4時間

·           2月           6時間

·           3月           8時間

·           4月           8.5時間

·           5月           8.5時間

·           6月           9時間

 

といった感じです。1年は意外と長いですからいきなり飛ばさないで徐々にペースアップして本試験にピークを持っていくことが重要だと思います。

 

直前期には模試がとても役に立ちました。模試を受ける時は非常に本試験を意識し、

·           着る服は本試験と同じものを着る。(いつもジャージでしたが・・)

·           昼食は少なめにする。

·           市販の酸素缶を試験開始直前に吸う。

·           栄養ドリンクはどれが一番効くかいろいろ試した。(結局ユン●ル皇帝液を午前一本、午後一本で落ち着きました)

·           択一・記述式の各時間を計る。(目標:択一50分記述120分残り10分見直し)

·           鉛筆、ボールペンは本試験と同じものを使う。(特にボールペンにはこだわりました)

というように、くだらないことですが真剣に考えていました。でも、こういう試験に直接関係無いことが最後の最後で合否の明暗を分けると思います

 

2年目は比較的精神的には安定していたのか、直前1ヶ月になっても体調を崩すことはありませんでした。「さすがに2回目だから慣れたものだ」と高を括っていましたが、やはり丁度一週間前に具合が悪くなってしまいました

そして本試験前夜。思いのほかぐっすり眠れました。やれるだけのことはやった。まさに「人事を尽くして天命を待つ」という心境でした。

 

本試験当日、普段よりすがすがしい朝を迎えられた気がします。明日から猛勉強はしなくていいという開放感からでしょうか。あとたった5時間でいい。今までの勉強に比べたら5時間なんて一瞬みたいなものだと。

 

そしていよいよ試験開始。午前は特に違和感も無く解けた気がしました。しかし、会社法に関しては、ちょっと違和感を覚えました。(結果的に会社法は半分も落としてしまった)

 

問題の午後。私は記述を先に解くと決めていましたので、まずは不登法の記述から説きました。

初見の感想「なんじゃこりゃー。」

結局問題文を10回くらい読み返したと思います。めちゃめちゃ悩みました。ほとんど何も書いていない状態でもうすでに30分が経過していました。「また来年か・・・」と一瞬諦めかけました。しかし、まずは確実に解かるところから埋めていこうと冷静を保ちました。そして1時間6分経ったところで添付書面をほぼ空欄のまま商登法へ移りました。商登法は比較的、解きやすくスムーズに書けたのですが記載量が多く50分くらいかかりました。残り1時間弱で択一と不登法の添付書面を書かなければならない状態になりました。しかし、択一は50分で解く練習をしていたのでそこまでは焦りはありませんでした。結局択一は50分かからず解けました。一応マークチェックだけ済ませてあと残りの時間は不登法の添付書面を試験終了の合図まで必死になって書きました。今でもよく読んでくれたなぁと思うくらいひどい字で(笑)、なんとか最後まで書ききりました。

 

その日のうちにLECの解答速報で自己採点しました。

午前30

午後29

記述   不登法→大枠は当たっているが、添付書面をどう書いたか記憶が曖昧。原因日付が間違っているところを発見。登録免許税ほぼ全滅。

商登法→登記できない事項が1つ間違えた。あとは殆ど出来た。

 

自己採点の感想は、なんとか受かったかなと思っていました。しかしその後、LECの統計や2ちゃんねるを見るとみんな出来が良く基準点が上がると噂が流れました。そうなってくると私の点数は丁度ボーダーラインでした。それからは、寝ても覚めても基準点のことで悩んでいました、今思うとこの試験終了後から合格発表までが一番精神的にきつかったです。何度も落ちる夢を見て、飛び起きることもしばしば

 

そして運命の合格発表の日。この日は1日中、厳しい顔をしていたと思います。派遣の仕事は休んで合格発表に備えましたが、もう半分以上諦めかけていました。現実を直視しようと法務局に直接結果を見に行きました。自分の番号を確認した時思わず職員に「夢じゃないですよね?」と聞いてしまいました。

 

結果、択一は自己採点どおり。記述は36点(不登法17.5商登法18.5)でした。合格点211.5点のところ私は213.0点で1.5点の余裕しか有りませんでした。本当ギリギリで合格でした。このように運良く合格できたのは、生意気なことを言わせてもらえば、勉強以外のことでも対策を怠らなかったからだと私は信じています。試験を受けるのですからそれに受かる為の勉強はして当たり前。そして勉強以外のこともしっかり対策をして、やっと合格に近づくのだと思います。

 

 

 

 

【エピローグ】
最後に、司法書士試験は努力が報われる試験だと思っています。特別人と違うことをやる必要はありませんし、特別な能力も要りません。必要なのは、「司法書士試験に絶対合格する」という強い信念を持ち、やりたいことを犠牲にしてでも勉強することを優先出来る強い意志です。様々な誘惑があるとは思いますが、たった1年2年だと思えば耐えられると思います。皆さんも頑張って下さい。